姿勢よく、よく噛んで食事をしよう

消化に影響する食事の姿勢

姿勢が健康に与える影響は小さくありません。

テレビを見るときや室内で遊ぶとき、

ほおづえをついたり、片方のひじに体を寄りかからせるような姿勢を続けていると、

背中や肩の筋肉の使い方が不均等になり、

肩や背中、腰を痛めやすく、脊椎側湾を発生することがあります。

また、テレビを見たり、本を読むとき、

目からの距離が近すぎると、近視や猫背の原因になります。

猫背は背中が丸くなり胸が狭くなるため、

肺が十分広がらず、肺の働きが低下してしまいます。

胃腸も胸部から圧迫され、胃腸障害が起こりやすくなります。

視力が悪化したり、疲れやすくなったりするので、

勉強にも集中できなくなってしまいます。

猫背にならないように特に注意しましょう。

食事のときも同様に、背筋を伸ばした正しい姿勢で食べることが大事です。

猫背のまま食事をすると、ひじをつきやすくなり、

胃腸に余計な負担がかかり、消化によくありません。

栄養の吸収も悪くなってしまいます。

食事の姿勢が悪いと、あごの関節も悪くなります。

咀嚼(ものを噛んで食べること)も、姿勢と大きく関係しています。

ただ、あごを上下に動かしているだけのように思えますが、

噛むときの姿勢が悪いと、あごの関節に余計な負担がかかり、

あご関節を痛めてしまうことがあります。

ひどいときにはあご関節症と呼ばれる病気になってしまいます。

あご関節症になると、

突然あごが開かなくなる、口を開けるとあごが痛む、

口を開けるときにあごの骨が鳴る、食事をしているとすぐ疲れてしまう、

視力が低下するなどのさまざまな障害が起こります。

噛んで食べる効果

「よく噛んで食べなさい」と、小さいときに親から注意されたことはありませんでしょうか。

この「よく噛む」ことには、さまざまな効用があります。

噛むことで、子供の脳が発達する

よく噛んで食べる習慣を乳幼児のうちからしっかり身につけた子供は、

単にあごや体が丈夫になり、健康に育つだけではありません。

咀嚼運動は脳を刺激し、脳細胞の代謝活性を促し、

脳の血液の循環をよくする効果があります。

子供の心身の発育は、脳神経系、ホルモン分泌系から進んでいきますので、

この時期のよく噛んで食べることは、

脳細胞の発達にとって重要な栄養をより多く脳に送ることにも繋がるのです。

また、大人になってからは、脳を活性化し、老化やボケの防止に繋がります。

大切な唾液の働き

よく噛むことで、唾液腺から多量の唾液が分泌されます。

この唾液に含まれる成分が、私たちの健康にとって重要な役割を果たしています。

味がよくわかる

唾液には、味覚の働きを高める作用があります。

舌の表面にある味蕾は、食べ物が唾液で湿っていることで、

味をしっかり感じることができます。

刺激を弱める

よく噛んで砕かれた食べ物は、唾液に包まれることによって

食道や胃壁への刺激が弱まります。

キムチなどの刺激物を食べる際にもよく噛んで食べましょう。

発がん物質の抑制

唾液に含まれるラクトペルオキシダーゼという酵素には、

発がん性物質として知られる有害な活性酵素を

除去する働きがあることが明らかになっています。

他にも、唾液に含まれるアミラーゼやカタラーゼなど多くの酵素にも、

発がん性物質の働きを弱める効果があります。

虫歯や歯周病の予防にもなる

よく噛んで食べると、食べ物に含まれる繊維質や、

咀嚼による頬や唇の働きによって歯についた細菌や糖分が落とされ、

唾液の抗菌作用によって虫歯菌の活動が抑制されます。

大量の唾液は歯の汚れを落としたり、

食べ物の流れをよくしたりする働きもあり、

咀嚼運動により歯肉が刺激され、血行がよくなり

歯槽膿漏にもかかりにくくなります。

また、よく噛んで食べる習慣を身につけることは、

全身運動に必要な体力、持久力を養うことに繋がります。

よく噛む習慣は家族団欒の食卓で

子供への習慣づけは、家族揃って食卓を囲むことからスタートしましょう。

子供だけによく噛むことを強制するのではなく、

まず、親が手本を見せて、

大人も子供も一緒になってよく噛んで食べることを心がけるようにしましょう。

ゆっくり噛んで食べれば、それだけで食事にかかる時間も長くなり、

家族一緒の団欒の時間も増えますので、ぜひ実践してみてください。

一般的によく噛む目安は「一口30回」と言われています。

これには理由があり、唾液に含まれる酵素が、

食べ物に含まれる有毒物質からでる活性酸素を消去するのに

30秒かかることからきています。

よく噛んで食べることが、健康な体を作っていきます。