家庭における食育

家庭での実践が最も大切

子供の健康と成長、人格形成に最も影響するのは、

家族との家庭での生活です。

家庭は、子供が最初に経験する小さな社会であり、教育の場でもあります。

「三つ子の魂百まで」ということわざがあるように、

特に0〜3歳の時期の親子のスキンシップは何よりも重要です。

子供は親の愛情につつまれていると感じる必要があります。

その後の幼児期の家族とのコミニュケーションによって、

人との接し方、礼儀やマナー、思いやりの心など、

人が社会生活を送るうえで大切なことがらを学んでいきます。

食育の第一歩も家庭から始まります。

まず、親が食に対する強い関心を示し、正しい知識を学び実践することが大切です。

家族が一緒に食を介してコミュニケーションを深めることで、

子供はその大切さを身近に感じ学んでいくようになります。

食育の基本は家庭の食卓にあります。

 

家族揃った食事の時間を大切に

かつては、家族みんなで食卓を囲み「いただきます」の挨拶から始まり、

「ごちそうさま」の挨拶で終わるまで、

一緒に食事をするのが当たり前の習慣でした。

家族で食事をしながら、親子間の情報交換をしたり、

親は子供に対して箸の使い方や食事のマナーなどをしつけし、

子供は楽しい団欒の時間を通して、食事を大切に思う心を育んでいきます。

その心が、親から子へ、子から孫へと伝わり、健全な食文化が守られていきます。

家族での食事は、団欒と娯楽としつけの場でもありました。

ですが、最近は親は仕事で、子供は学習塾で忙しいなど、

さまざまな理由で家族の食事時間がバラバラになり、

一家で食卓を囲むという機会が減っています。

厚生労働省が、3歳から中学生までの児童、生徒を対象に行った全国家庭児童調査(平成21年度)によると、

一週間に家族そろって朝食を食べる回数は、

「毎日」と答えた子供が25.8%だったのに対し、

32%もの子供は家族そろって朝食を食べることは「ほとんどない」と答えています。

1人で食べる食事は、食への興味を薄れさせるだけでなく、

人格形成のうえでも悪影響を及ぼします。

少なくとも1日に1食は家族全員が同じ食卓を囲めるようにすることが、

家庭での食育の第一歩といえるでしょう。

特に、幼児期(未就学)の子供は、毎食親子で食卓を囲むことが理想です。

食事は1日3回ですから、1年で1095回、一緒に食事をしながら子供たちはさまざまなことを学び、

成長するチャンスが増えるわけです。

 

子供と一緒に楽しい食育を

旬の食材を覚える

毎回の食事は、できるだけ手作りの料理にし、旬の食材を多く取り入れるようにしましょう。

どの季節にどのような食べ物があるのか、一緒に食事をしながら学ぶことができます。

 

家庭で野菜を育てる

家庭菜園、プランター菜園で比較的簡単に作れる

プチトマト、なす、きゅうりなどの野菜を子供と一緒に作りましょう。

どうやって野菜ができるのか、植物を育てるには手間がかかること、

それぞれの野菜ができる季節などを学ぶことができます。

また、自分で収穫した野菜を食べるおいしさは格別です。

野菜に限らず、魚、肉類などの食べ物は、水や太陽、大地、空気などの自然の恵の中で育ったものであり、

その命をいただいて人も成長し、生きていくことができることを学べます。

このことは、食べ物に対する感謝の気持ちを養ううえでも大切なことです。

 

一緒に食材を選ぶ

何を食べるのか、献立や食材選びを子供にも手伝ってもらいます。

もちろん、食材の買い出しも子供と一緒に出かけ手伝ってもらいます。

世の中にある食材はすべて体によいものばかりとは限りません。

体によく安全な食材を選ぶ選食力を養うために、

新鮮であるかどうか、体によいものであるかどうかを判断して選ぶ力が必要です。

さらに、献立の栄養バランスが取れているかどうかを判断する知識も必要になります。

まず、親が正しい知識を身につけたうえで、子供に手伝ってもらいながら、

年齢に応じた知識を徐々に身につけさせていくことが大切です。

 

一緒に料理を作り、味覚を育てる

料理ができ上がるまで、ただ待たせるのではなく、

野菜を洗ったり、お米を研いだり、粉をこねたりと、

子供にできるところを手伝ってもらいます。

自分で作った料理のおいしさは格別です。

愛着も湧いてきますので、それまで嫌いだった野菜も食べられるようになります。

また、料理を作ることの大変さも学べ、食事のありがたさを理解するようになります。

料理の途中で味見をすることも大切なポイントです。

一家で食卓を囲む機会が減るとともに、

惣菜や冷凍食品、レトルト食品などの利用機会が増え、

家庭で料理を作ることも次第に少なくなってきています。

そのため、味が均一化してきてしまい、

若者を中心に味覚障害が増えているというデータもあります。

味覚は、幼児期から自然の食材をどれだけ食べてきたかによって大きく違ってくるといわれています。

豊かな味覚を育て、自然の食材が本来備えている味を

おいしいと感じることができる力を養うことが大切です。

 

食卓の工夫や盛り付け、配膳を手伝ってもらう

食卓に花を飾ったり、ランチョンマットを敷いたり、

食事を楽しくする工夫を子供と一緒に考えましょう。

盛り付けの食器選びから配膳まで手伝うことで、

料理を作り、食卓に上がるまでの一連の家庭を理解でき、

子供にとっても食事がいっそう楽しいものになります。

 

後片付けも一緒に

食事が終わったら、後片付けも子供と一緒に行います。

ゴミの分別や食べ残しを出さないことの大切さなどについても、

後片付けの機会を通して学べるようにしていきます。

 

これらの項目は子供だけの力では上手にできませんが、

子供にも考えさせること、体験させること、

子供の食に対する興味と意欲をかき立てることは、

食に対する意識の向上に繋がります。