栄養学の基礎

栄養素ってなに?

毎日の食事は生きていくために欠かせないものです。

その食事から体内に取り入れた食べ物は、消化・分解されて体に吸収されます。

吸収された食べ物は、エネルギー源になったり、

体の組織を作ったり、生体機能を調整したりと、

生命を維持するために多くの役割を担ってくれます。

これらの一連の営みを栄養といい、

栄養活動に必要な物質を栄養素といいます。

 

この栄養素は、体を動かすエネルギーのもととなる

糖質脂質タンパク質を三大栄養素。

体の調子を整える働きをする

ビタミンミネラルを加えたものを5大栄養素。

人の消化酵素では分解できない

食物繊維も体の調子を整える働きをすることから、

第六の栄養素と、それぞれ分類することができます。

 

6大栄養素
  • 糖質
  • 脂質
  • タンパク質
  • ビタミン
  • ミネラル
  • 食物繊維

 

3大栄養素はエネルギーの源

糖質

ご飯などの穀類やいも類に多く含まれます。

糖質には、単体のものと複数の糖類が結合したものがあり、

単体のものは単糖類、結合したものは二糖類、多糖類と呼ばれています。

ちなみに
人の消化酵素で消化される糖質と

消化されない食物繊維をあわせたものを炭水化物といいます。

糖質は、1gあたり4kcalのエネルギーになりますが、

体内でエネルギーとして使うには、単体のブドウ糖にまで分解する必要があります。

ブドウ糖は血液を通して筋肉などの各組織に運ばれたり、

肝臓でグリコーゲンとして蓄えられ、必要に応じてブドウ糖に再転換されます。

各組織でブドウ糖が分解されるときに発生するエネルギーが生命活動のもとになっています。

ですが、必要以上に摂取したブドウ糖は、中性脂肪になって蓄積されてしまいます。

これが過剰になると、肥満に繋がります。

肥満はメタボリックシンドロームやさまざまな生活習慣病の原因となります。

糖質の種類
  • 単糖類
    • ブドウ糖
      • 穀物
      • 根菜類
      • 果実
      • はちみつ
    • ガラクトース
      • 牛乳
    • 果糖
      • はちみつ
      • 果実
  • 二糖類
    • ショ糖
      • サトウキビ
      • てんさい
      • 砂糖
    • 麦芽糖(マルトース)
      • 麦芽
      • 水飴
    • 乳糖(ラクトース)
      • 牛乳
      • 乳製品
  • 多糖類
    • でんぷん
      • 穀物
      • いも類
      • 豆類
    • グリコーゲン(人や動物の肝臓や筋肉に含まれている)

 

脂質

細胞膜や核酸、神経組織などの構成成分としてとても重要な栄養素です。

1gあたり9kcalと高エネルギーを生み出します。

また、脂溶性ビタミンの吸収を助ける役割をします。

脂質は、脂肪酸とグリセリンに分解され、小腸から吸収されます。

吸収された脂肪酸とグリセリンは、中性脂肪に再合成され、

リンパ管や血管を通って体の各部分へ送られます。

肝臓や筋肉などの各組織で分解されるときにエネルギーが発生し、

このエネルギーが生命活動のもとになります。

中性脂肪とは
一般的に脂肪と呼ばれることが多いです。

貯蔵脂肪として、皮下や臓器周辺に蓄えられます。

この貯蔵脂肪は、内臓を守るクッションの役割をしたり、

体温を保持したりとさまざまな役割があります。

 

タンパク質

体を構成する不可欠な栄養素です。

1gあたり4kcalのエネルギーを発生して、生命活動のもとにもなります。

タンパク質は、約20種類のアミノ酸が多数結合したもので、

アミノ酸の数や種類などによって働きが異なります。

筋肉や臓器、ヘモグロビン、酵素、ホルモンなどの合成にかかわっています。

肉や魚から摂取したタンパク質はアミノ酸にまで分解され、

筋肉や皮膚などに作りかえられます。

アミノ酸のうち、体内では合成することができない9種類(成人は8種類)は、

必須アミノ酸と呼ばれ食事からとる必要があります。

必須アミノ酸
  • バリン
  • ロイシン
  • イソロイシン
  • スレオニン
  • メチオニン
  • フェニルアラニン
  • トリプトファン
  • リジン
  • ヒスチジン(子供のみ)
注意

タンパク質が不足すると、体を構成するタンパク質が分解されて不足分を補います。

そのため、体力の低下や免疫力の低下を招いてしまいます。

 

 

体の調子を整える栄養素

ビタミン

体の生理機能の調整を行います。

また、エネルギーのもととなる3大栄養素の働きをサポートします。

ビタミンは、体内で合成できないものや、

合成できても必要な量を満たせないものが多く、

食べ物から補給する必要があります。

また、ビタミンが不足すると欠乏症があらわれます。

ビタミンには脂溶性と水溶性のものがあります。

脂溶性のものは、水に溶けにくく油脂やアルコールに溶ける性質があり、

油脂と一緒に調理して食べる方が体内への吸収率が高まります。

取りすぎに注意

頭痛や吐き気などを引き起こす場合があります。

サプリメントなどでとるときは、量を気をつけましょう。

 

水溶性のものは、水に溶けやすく、油脂に溶けにくい性質があります。

過剰にとっても体内に蓄積されずに排出されてしまうので、

毎日食べ物から一定量をとる必要があります。

ですが、サプリメントなどでの大量摂取にはこちらも注意が必要です。

 

ミネラル

体の機能維持や調整に働く成分です。

骨をつくるカルシウムや赤血球の成分であるヘモグロビンをつくる鉄などもミネラルの一種です。

ミネラルは、体を構成している元素のうち、

水素、酸素、炭素、窒素を除いた成分を指し、

さまざまな種類があります。

ミネラルの働き
  • 骨や歯などの組織を硬く強くします。
  • 体液中にイオンとして存在し、体液のpHや浸透圧を調整して筋肉や神経に刺激を与えます。
  • 有機化合物と結合して体の組織を構成します。

ミネラルは多くの食品に含まれていますが、

食品の精製や加工の過程で失われてしまいます。

その逆に、食品添加物に使われるリンは食品の加工によって増加しますが、

リンの取りすぎはカルシウムの吸収を悪くします。

加工食品の取りすぎに注意

加工食品の食べ過ぎは、ミネラルのバランスを崩す一因ですので注意しましょう。

 

食物繊維

糖質の仲間なのですが、人の消化酵素では分解できないので、

糖質とは別に考えられています。

その働きも糖質とは違い、

コレステロールなどを体外に排出し、

動脈硬化の予防や血糖の上昇を抑えるなど、

生活習慣病予防に一役買っています。

食物繊維の働き
  • 便秘を予防したり解消します。
  • 体内の有害物質を排出します。
  • コレステロールの吸収を阻害し、脂質異常の予防をします。